経営 給与・社会保険

働きながら年金を受け取ると損をする!?

こんにちは!

税理士の齋藤です!

みなさん将来、老後の生活について不安ですか。

不安ですよね。私も不安に思っている一人です。

 

・年金の受給開始年齢の延長

・年金受給額が減るかもしれない

・老後資金が2,000万円も必要

・生涯現役で働く必要が出てくる

など、不安材料はてんこ盛りです。

将来に受け取る年金が少ない、貯蓄が少ない場合には、長く働き続けて収入を得ることも

考えられるわけですが、その場合、年金の取り扱いに注意が必要です。

 

年金と収入制限について

①年金の受給開始年齢は、原則65歳からです。

(以前は60歳から支給だったのです。)

 

②年金を受け取りながら、働くことができる。

 

③収入によっては、年金が減額される。(=「在職老齢年金制度」)

 

④年金の減額対象に、老齢基礎年金(満額、約6万5千円)は含まない。

つまり減額の対象は厚生年金です。

 

上記の③「収入によっては、年金が減額される」が今回のテーマです。

実際、いくらの収入があると、年金が減額されるのでしょうか。

 

収入制限、年金減額の計算

年金の減額、支給停止の基準金額は年齢に応じて決まっています。

次の支給停止基準を超えると、減額もしくは全額支給停止が適用されます。

 

①65歳未満 ➡ 支給停止基準 28万円 (2022年4月より47万円になる)

*男性は1961年4月2日生まれ以降、 女性は1966年4月2日生まれ以降

は原則65歳からの受給ですので②になります。(繰り上げ受給の場合は注意)

 

②65歳以上 ➡ 支給停止基準 47万円

 

今回は、②の65歳以上の場合を見ていきます。

働きながら年金をもらう場合、どのくらいの額が減額、支給停止となるのかは、

年金(基本月額)と給料(総報酬月額相当額)の合計額によって異なり、

その基準が47万円ということになります。

 

用語の確認をしておきます。

【基本月額】(年金)

➡支給停止前の本来の年金額に1/12を掛けた額。

【総報酬月額相当額】(給料・賞与)

➡月々の給料(その月の標準報酬月額)+〔その月以前の1年間の標準賞与額の合計額×1/12〕

 

支給停止額の計算は次の通りです。

年金の支給停止額(月額)=(総報酬月額相当額 + 基本月額 -47万円) ×1/2

 

<例>Aさんの場合 (会社員・65歳)

総報酬月額相当額(給料・賞与)は38万円、基本月額(年金)は16万

年金の支給停止額(月額)=(38万 + 16万 -47万円) ×1/2=35,000円

 

Aさんの年金額は、115,000円(150,000-35,000円)となり、

給与と合わせて月額495,000円の収入になります。

 

働くと損になるのか?

では実際に年金をもらいながら働くと損になるのでしょうか。

先ほどのAさんの例を見て頂いた通り、年金が減額されるのは、一定程度の

給料収入が多い方です。

年金が減額になる場合は、47万円を超えた分の半分と考えると、

それほど大きな負担でもないでしょう。

そう考えると、年金を受取りながら長く働くこともいいのではないでしょうか。

給与調整できる場合には、減額されない給与設定をするのもありです。

 

 

ちなみに、自営業(個人事業主)の方は、国民年金ですので、今回の話は関係ないです。

個人事業主の方は、厚生年金と比べると将来の年金受給額が少なくなりますので、

将来設計がより重要になります。

おすすめは、退職金代わりとなる、「小規模企業共済」の加入です。

その他、個人事業主とは別に法人設立を行うことや、年金保険、イデコ、積立NISAの加入などで

節税を行いながら将来安心できる設計を早めに行っていきましょう。

 

おすすめ記事

-経営, 給与・社会保険