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飲食店開業準備のポイント

こんにちは!
神戸の税理士、齋藤です!

飲食店の経営について、よく耳にすることがあるかと思いますが、

飲食店は他業種に比べて参入障壁が低いという特徴があります。

そのため新規参入者が多い一方で、廃業(閉店)率が高いこと

が知られています。

開業10年で残っている飲食店は1割と言われるほど厳しいものです。

 

全ての事業にいえることですが、重要なのはオープンするまでの準備です。

飲食店の開業がゴールになっていたり、とりあえず

オープンしてみるというスタンスでは決して上手くいきません。

お金や経営のことを理解してオープンさせることが

事業継続、成長につながります。

 

オープン前の準備

飲食店をオープンさせるには様々な準備が必要です。

ざっくりはこんな感じでしょうか。

・自己資金をためる。

・店舗コンセプト(ビジネスモデル)作成

・事業計画書策定

・物件契約、資金調達(融資)、内装工事、開店準備

 

店舗コンセプトをどこまでつめるか、希望の物件が見つかるかどうかにも

よりますが、およそ半年~1年は準備期間として必要になってくるケースが多いです。

店舗コンセプトなど、出店する業態、エリア、商品、ターゲット客層、サービスなどは

自ら時間をかけて具体化する必要があります。

一方で、事業計画策定の数値面や融資などの資金調達については、税理士等の専門家に

頼ることをお勧めします。

儲かる収支計画を作る

飲食店をオープンするにあたり、儲かる飲食店でなければ意味がないです。

お客さんに満足を頂いて、かつ利益が残る仕組みを作る必要があります。

その儲かる利益がでて初めて、自分に対して余裕が持て、お客さんに対して、働く従業員に

対して利益分配、再投資することができます。

 

儲かる収支計画、はじめに「売上」です。

売上は月商ではなく、1日の売上、日商で考えることが必要です。

そして、売上の考え方は下記の通りです。

1日売上(日商) = 客数 × 客単価

1か月の売上(月商) 日商 × 営業日数

 

この売上の考え方があって、売上アップを実現するために具体的な販促方法

の検討や、スタッフのシフトコントロール、メニュー作りなどが見えてきます。

 

売上を上げるためには、必要な経費がかかります。

飲食店の経費には3大コストがあります。

①原価(Food)

②人件費(Labour)

③家賃(Rental)

これらの3つをまとめて「FLRコスト」といいます。

業態や収支モデルにもよりますが、「FLRコスト」の合計を

売上の70%以内に収めることが求められます。

3大コスト以外の他の経費もありますので、70%を超えてくると

売上から経費を引いた後に残る「利益」が少なくなってしまい、

結果儲からない飲食店になる恐れがあります。

 

オープン前の計画の段階で、根拠をもって売上、経費を計算し、

儲かる収支モデルが出来ていないとオープンはおすすめ出来ないです。

 

補足として、経費は、「固定費」と「変動費」に分けられます。

「固定費」とは、売上の増減に関係なく生じる経費のことです。

この「固定費」がいくらかかるのか、開業前にきっちり把握しましょう。

特に大きな固定費は、家賃です。

まさに今、休業せざる負えない飲食店の方々もいらっしゃいますが、

この固定費の家賃の金額の大小により店舗への影響は大きく異なります。

オープン前には、物件選びをはじめ、固定費を抑える意識が大事です。

 

投資回収の重要性

お店をオープンするための経費として、

上記はランニングコストを言われる、開業後に発生する

店舗を運営するための経費です。

一方で、「イニシャルコスト」と言われる出店・開業時にかかる

経費があります。

例えば、物件の取得費、内装工事費用、厨房設備等です。

当たり前ですが、このイニシャルコストは少なければ少ない方が

いいです。

イニシャルコストは経費として先に払っています。

オープン後、利益を出して、儲けることが出来ていても、

イニシャルコストの経費分の利益を出すまでは儲けることが出来ていないです。

食べ放題の元を取ることが出来ていない状態でしょうか。

つまり、表面上の売上や利益だけにとらわれるのではなく、

イニシャルコストを何年(何か月)で回収できるのかを試算しましょう。

出来れば、3年以内に投資回収できる設計が望まれます。

投資は売上に影響するため、単純に投資を抑えればいいというわけではないです。

あくまで同じ売上の場合にどこまで投資が抑えらるかという視点で

捉えましょう。

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